前回はピリオダイゼーショントレーニングの基本的な内容について説明したが、今回はスポーツ競技者における内容について説明したい。

スポーツアスリートの場合は、ウエイトトレーニングによってつけた筋肉を瞬発的に筋力発揮できるようにする為のパワートレーニング及びプライオメトリックトレーニング(ハイクリーンやハイスナッチ等の種目)や各スポーツ特有の動きを取り入れたトレーニングを行う必要がある。大きく分け1筋肥大/持久力期、2筋力期、3筋力/パワー期、4試合・ピーキング期、5休養期に分類することができる。

その前に「パワー」について説明したい。パワーとは、筋力×スピード=パワーの事で一般的なスポーツ動作の場合、使用する筋肉やその使い方の程度に違いがあるにせよ「跳ぶ」「打つ」「投げる」等の瞬間的動作は、すべて筋の収縮によるパワーによって行われる為その筋収縮のパワーがスポーツ競技の成績を左右するのでスポーツ競技の筋パワーの有無はきわめて重要であり、そのトレーニング手段は十分吟味されたものでなければならない。

それではスポーツ競技者を例にした各期分けの一例を説明したい。

1筋肥大/持久力期は各セット8~12,回、20~30回で限界に達するトレーニングを全身バランスよく行い、この後に続く各スポーツの専門的トレーニングの土台を作る期間である。(怪我の防止にも繋がる)

2筋力期は最大筋力を発揮できるようにする為筋肉の神経系を鍛えるトレーニングで、各セット3~6回で限界に達するトレーニングを行う。

3筋力/パワー期はハイクリーンやハイスナッチ、ジャンピングスクワット等のプライオメトリックトレーニングを行い最大筋力を瞬発的に発揮できるようにする為のトレーニングを行う。(回数等については各スポーツにより異なってくるので、ここでは省略したい)

4試合・ピーキング期は各スポーツの特有の専門的動作を取り入れたトレーニングを行う。

5休養期は1週間程度の休養を行い試合シーズン(試合期)に移行するか13週間の休養をとりプログラムを終了し筋肥大期に戻りピリオダイゼーショントレーニングを再開する。

このように試合の無いオフシーズン期に土台となる筋肉、筋力を発達させて、試合シーズン期に近づくにつれ、瞬発的及び専門的動作に合わせて発揮できるようにする為の一連のピリオダイゼーショントレーニングの流れが効果的と思われる。