スポーツ栄養学における最新の進歩に、「セル・ボリューマイジング(cellvolumizing)」があげられる。セル・ボリューマイジングとは、筋細胞中に含まれる水の量を表すのに使われる言葉である。細胞中の水のレベルが高い場合、筋発達は起こるが、低い場合は筋発達が止まってしまう事がわかっている。

 筋発達の為には、細胞を膨張させておくことが重要である。細胞が膨らめば、タンパク合成やグリコーゲン合成が促進され、筋グリコーゲンの分解が防げられるからである。

 筋細胞を膨張させておく最も簡単な方法は、毎日水をたっぷり摂る事である。次に食事から十分な炭水化物とタンパク質を含み、なおかつ、これらが毎回の食事に二つ一緒に含まれているか確認する事が大切である。炭水化物とタンパク質の組み合わせは、インスリンと言うホルモンの分泌を促進する。インスリンは炭水化物を筋肉に運び、グリコーゲンを作る。グリコーゲンとは炭水化物が蓄えられる時の形である。このグリコーゲンは、大量の水を筋肉に引き付ける。この事は筋肉の分解を防ぎながら筋発達を促す事を意味している。

 インスリンはまた、アミノ酸を筋肉へ運ぶ。アミノ酸、特にブランチド・チェーン・アミノ・アシッド(BCAA)は、筋肉を発達状態にするシグナルとなる。

 ナトリウムは、一般に、筋細胞の外に存在するミネラルであるが、インスリンは炭水化物とタンパク質を筋肉に運ぶ時に、このナトリウムを引っ張り込む。ナトリウムが筋細胞中に入れば、このナトリウムを薄めるために水が細胞中へ流れ込む。(ナトリウムは細胞外にあるべきで、細胞中にあるべきではない為)これは、さらなるセル・ボリューマイジングを引き起こす。

 セル・ボリューマイジングを引き起こすための最後に出来る事は、サプリメントを使う事である。OKGはアミノ酸の一種であるグルタミンの前駆物質である。ブランチド・チェーン・アミノ・アシッドもまた、グルタミンのレベルを高く保つのに役立つ。BCAAは、グルタミンを合成する為に筋肉中で使われる。グルタミンの合成が高ければ(BCAAOKGを摂る事によって)、より多くのBCAAが細胞中に運び込まれ、さらなる膨張を促す。また、グルタミンのレベルが高いと、理想的な筋発達が起こるが、グルタミンのレベルが非常に低い場合、たとえカロリー、炭水化物、タンパク質が十分取れていても筋肉をつけることは不可能である。

 ボディビルダーの多くが、より良いワークアウトを行うために、カフェイン、コーラナッツ、コーヒー、エフェドリン、マオウ等を使っている。これらの製品は体から水を奪うので、必ず水を補う必要がある。

 最後に食べ過ぎると、体が一定以上のグルタミンレベルを保つ事が出来ない状態となる。食べ過ぎは、ボディビルダーにとって最悪である為避けるように努めるべきである。