必要とされる最低限度のカロリーを求めたら、今度は最大カロリーを求める。それには先ほどステップ3で求めたカロリーを2倍すればいい。これで、ハードワークを行うボディビルダーが、脂肪をつける事無く摂る事が可能な最大カロリーが求められるはずである。

これに従うと、除脂肪体重が88kgのボディビルダーは、余分な脂肪をつけずに筋肉をつける為に、3520キロカロリーまで摂ってよい事になる。3520キロカロリー以上摂れば、いかにハードに、頻繁にトレーニングを行おうとも筋肉が増えるよりも多くの脂肪をつける事になってしまう。

今まで述べたことをまとめると、体重100kgで体脂肪率12%のボディビルダーの場合、一日に176gのタンパク質を摂らなければならない。この場合の一日の摂取カロリー幅は、17603520キロカロリーである。なぜこんなに広い幅があるのか?それは、次の要素を考慮に入れなければならないからである。

 

     性別

体重60kgの男性は、同じ体重の女性よりも多くのカロリーが必要になる。なぜならば、女性ホルモンであるエストロゲンが脂肪の蓄積を促し、筋発達を制御するのに対し、男性ホルモンのテストステロンは脂肪の蓄積を抑制し、除脂肪体重の増加を促すからである。

 

     年齢

30歳以降は、体がカロリーを燃焼させる速度が、1年に12%ずつ落ちていく。

 

     活動量

活動的であるほど、カロリーの消費量は増え、代謝が高まる。これは、より多くの筋肉をつける助けとなるのである。筋肉を増やすと言う事は除脂肪体重を増やす事であり、除脂肪体重を増やす事は、カロリー消費量を増やす事につながる。ヘビーウェイトトレーニングもまた、筋肉増加を促し、その過程ではカロリーの必要量が劇的に増加する。

 

     食事内容

タンパク質が少なく、脂肪の多い食事は、体がカロリーを燃焼する速度を遅らせる。これとは逆に、一日に5回の、低脂肪、中程度のタンパク質、そして十分な炭水化物からなる食事は、カロリーを燃やす速度を速める。

 

     体組成

除脂肪体重が88kgの人が2人いるとする。一人は脂肪が少なく、もう一人は余分な脂肪をたくさんつけているとする。脂肪が少ない人の方は、ステップ4で求めた最大値に近い量のカロリーを摂る事が出来る。これに対して脂肪がたくさんある人は、ステップ3で求めた最少量に近い量のカロリーに押さえるべきである。なぜなら、体脂肪が高いと、カロリーが利用される速度が遅くなるからである。逆に体脂肪率が低いと、カロリーが使われる速度が速くなるからである。また同じ除脂肪体重でも基礎代謝が高い外胚葉型、中程度の中胚葉型、低い内胚葉型により必要摂取カロリーも異なってくる。