普通、初心者やトレーニング歴3年以下の中級者は、徐々にトレーニングの方法を2つあるうちのどちらか1つに変えていく。

更に筋肉をつけるために必要なのは、徐々にウェイトを重くしていくことである。言い換えれば筋肉をコンスタントに発達させるためには負荷をコンスタントに高めていくことが必要である。何年も同じ重さのウェイトを使っていたのでは筋肉を増やす事等不可能である。その為徐々に力を強くしていくと努力することが大切である。トレーニングを始めた時には日に日に(とは言わないまでも、1カ月ごとに)力が強くなっていくように感じたはずである。これが最初の3年によく発達する理由なのである。ところが自然と訪れるストレングスプラトー(力が伸びなくなる状態)に達してしまった時、これ以上力を伸ばすのが困難だと感じ、多分セット数を増やす事にしたのだと思われる。これが多くの人が犯す間違いである。セット数を増やせばワークアウト時間が延び体からエネルギーが失われる。そして体が低エネルギー状態にある時に2つの恐ろしいことが起きる。

まず回復力が被害を被り、回復力が低い場合いかに食事や睡眠を取ろうとしても筋発達はストップしてしまう。それにエネルギーが低い場合ジムで全力を出す事、前回のワークアウトよりも重いウェイトを扱うことは不可能になる。たった1つの種目においてすら1レップも伸ばせず、2.5kgも増やすことが出来ないならば、新たな筋発達に十分なだけの刺激を体に与える事等到底できないのである。

筋肉には、強度/刺激の閾値とでもいうようなものがある。この閾値と言うのは、ある種目を行う際610レップスしかできないマックスウェイトの事である。仮にベンチプレスを100kg8レップス行っているとしたら、今以上に筋肉をつける為には、もっと重いウェイトで同じレップス(6レップスでもかまわない)を行うか、100kg9レップス行わなければならない。100kgと言うのがこの場合の閾値なのである。筋肉は意外に賢いものである。閾値以下のウェイトを使っても、それは発達を促すに十分なだけの刺激にならないのである。その為80kg8レップス行ったとしても筋肉は反応しないのである。更に筋肉をつけるには、この閾値を超えなければならないのである。それゆえ、セット数を減らすことをお勧めする。そうする事によって回復力は高まる。十分に回復した筋肉は強く大きくなる。セット数を多く行い過ぎて十分回復できない筋肉は弱く小さいままである。

トレーニングを行っている人のほとんどが自分で計画を立てている事と思うが、セット数を多めに設定し過ぎて、それぞれのセットで100%出し切れないのが現状である。仮にそれぞれのセットで全力を尽くしているというなら、ワークアウトを最後まで続けられないはずである。自分自身の個人的意見ではセット数を半分にする事である。そうすればより重いウェイトを使って、もっとハードにトレーニングする事ができる。それにセット数を減らす事により、ヘトヘトになるまで疲れることが無くなるので回復と発達が可能になるのである。

ヘビーワークアウト(次第にウェイトを増やしていくようなワークアウト)は、筋肉の分解を促す。その結果、アナボリック状態が作り出され、ダメージを筋肉を再生する方向に働き、それがさらなる筋発達につながるのである。このようなオールアウトトレーニングを行っている限りオーバートレーニングに陥ることはない。と言うのは、それは筋肉の再生を促すものであり、ワークアウト時間が短めになるのでエネルギーや回復力を失いにくくなるからである。