その1 ストレングス、またはサイズの減少がみられる場合

筋肉を肥大させるには、オーバーロード(過負荷)をかけなければいけない。この最も良い方法が、より重いウエイトを上げる事である。もしストレングスが、ベンチ・プレス、レッグ・プレス、ベンドオーバー・ロー、デッド・リフトと言った基本種目で、長い間向上しないとしたら、オーバートレーニングに陥っていると思ってよい。セットやレップを増やすことで、ただ単にパンプさせても、筋肉は発達しない。これは99%トレーニーに当てはまる事である。

                                                     

その2 ほとんどか、あるいはまったくパンプせず、筋肉がフラットに見える場合

自分が実際にヘビーウエイトで、68レップスで行った時はいつも筋肉はパンプしトレーニング後、半日経ってもパンプが続いているように見える。逆に、トレーニング中、筋肉に血液が集まってこない場合は、オーバートレーニングに陥っているんだな、と分かる。大切なのは毎回のトレーニングで、よりヘビーなウエイトを扱う事であり、更に強く、はちきれんばかりのパンプを得る事である。もし体調がよくなかったり、パンプが得られなかったりした場合、自分はジムを後にし、その日のトレーニングは休む。体がついてこないのに無理にトレーニングしても、カタボリック・プロセンス(タンパク異化)が進むだけである。

 

その3 刺激物が無性に欲しくなる場合

紅茶やコーヒー、それに朝鮮人参や麻黄といったハーブの中に含まれるカフェインは、ワークアウト前に摂ると非常に効果がある。集中力、筋収縮が高まるのである。自分自身もこれらを使うことにより素晴らしい成果を得ることが出来た。しかしオーバートレーニングの兆候をごまかす為に、これらを利用してはいけない。とても疲れているのに、これらで自分を覚醒させて、無理なトレーニングをしないで頂きたい。こういった刺激物は、正しくトレーニングし、それに見合った休息が取れているときにはじめて、ワークアウトを実のあるものにし、筋肉を大きくするのである。カタボリック状態ある時に刺激物を摂る事はカタボリック・プロセスに拍車をかけるようなものである。

 

その4 やる気にかける場合

筋肉をつけるのに良い方法は、コンセントリック(リフティング)部分でウエイトを爆発的に上げ、エキセントリック(ネガティブ)部分では、しっかりとコントロールしながら下してくることである。爆発的な拳上は、モト・ニューロンと呼ばれる神経を喚起する。そしてこのニューロンが喚起されればされるほど、より多くの筋繊維使われるのである。この爆発的な拳上を行うには、やる気が必要である。しかし、カタボリック・ホルモンがたくさん体内を循環している場合には、アグレッシブになることは到底できない。

 

その5 ジムに行くのがつらいと感じる場合

自分が知っているコンテストビルダーたちは、皆トレーニングが大好きである。トレーニングが楽しい、と言うよりむしろ義務のように感じられる時は、カタボリズム(異化作用)が優勢で、トレーニングするだけ無駄と思っていい。たとえコンテスト前でも、トレーニングを休むことを恐れてはいけない。ワークアウトから110%の成果を引き出す為に、しっかり充電しましょう。

 

今まで述べてきたように、継続的に筋肉を発達させるためには、カタボリック(筋肉をすり減らすような)ホルモンの分泌を促すようなオーバートレーニングを避けなければならない。ところが、オーバートレーニングに陥り、発達が頭打ちになっているボディビルダーの中には、アナボリック・ステロイドに頼ろうとする者がいるのも事実である。彼らは、ドラッグが、カタボリック・ホルモンの分泌を抑えてくれると思っているのである。しかし、ドラッグは短期的には効果があるかもしれないが、結局カタボリック・ホルモンがステロイドに勝って、そのうちドラッグを使っても発達しなくなるのである。なので、より賢いやり方は、まずオーバートレーニングに陥らないようにすることである。

では次回は、オーバートレーニングを防ぎ、筋肉を発達させる為に大切なことを5つ話したい。